自由を手に入れるために誰かの自由を奪うのは

巡り巡って自分自身を締め付ける呪縛となる。

あらすじ

バレリーナの将来が怪我のために断たれたドミニカ・エゴロフ。病気の母に治療を受けさせるためにロシアの諜報機関の訓練施設に送られる。そこは、ハニートラップと心理操作を武器としてミッションの遂行するスパイ=<スパロー>の養成機関だった。持ち前の美貌と頭脳で、ドミニカは望まないながらも、一流の<スパロー>へと仕立て上げられる。彼女に最初に与えられたミッションはアメリカのCIA局員に接近し、ロシア政府内に潜むスパイの名を聞き出すこと。

しかしその任務は、ドミニカを想像も超える運命に導き、彼女は敵国アメリカのみならず、祖国ロシアからも狙われることに……。大国間の裏舞台での陰謀と欲望が渦巻くストーリーは、信じがたい結末へ。


まさか、こんなことまで!? ジェニファー・ローレンスがハニートラップの訓練受ける『レッド・スパロー』特別映像

感想

自由

自由を手に入れるのは限りなく不可能に近い。この作品を鑑賞後そう感じた。

主人公であるロシア諜報員の女は自分自身のすべてを使って相手を誘惑し、情報を引き出すことを得意とする「スパロー」という部隊に所属していた。しかし彼女はこの部隊進んで所属したわけではない。自分自身に関する様々なことを人質に取られ、選択肢を無くされ入ることを余儀なくされた身だ。決して生粋の諜報員というわけではない

彼女は元よりバレーダンサーでありロシアに根深いボリショイバレーの筆頭であったが、メンバーの策略により足を壊し引退を余儀なくされた。その後情報機関の高官である叔父を頼り、ロシア情報機関の世界へと足を踏み入れていった。

そんな彼女であるが実は冒頭から終盤まで、自分自身の自由と母の安全を第一に考え行動してきた。他の諜報員モノ作品とは違い徹頭徹尾自分自身の利益のために行動してきた。ハナから国家間の利益だとか金銭には興味なかったのである。

ここでポイントとなるのが「自由」のために戦った彼女は結局どうなったか、という点である。

様々な策略を練り、数多の傷を負い、自分自身の身を削りに削り情報機関の高官になれたのは果たして「自由」というのだろうか?

そもそも「自由」という概念は人により様々だ

大学生で時間に囚われない自由

無職で親のスネを齧りゲームをする自由

仕事をして帰ってからの自由、または休日

刑務所の中での束の間の自由

パッと上げただけでもこのように「自由」とは様々である。

しかし、私は上記で挙げたどの「自由」にも「本質的な自由」は内包していないと思っている。

私が思う自由の定義は「何物にも拘束されず、何時もプレッシャーを感じない」であるが、

これらの定義に当てはめた時、地球上で生活している私たちは自由に生活できているとは言えないのである。

我々は誰しも必ず何かしらの存在に縛られ支配されていると確信している。

その一例として今作の主人公の存在がある。彼女は「自由」を得るために様々な苦痛を耐え抜いた。そして情報機関という場所に身を置くことになったが、このことが意味することはどれだけ堪え難きを堪え努力したとしても結局は真なる「自由」を得ることは叶わず、何者かに支配される構図が続くという暗い未来だ。結局自分が利する時、誰かが害してそれを挽回しようとする手がいつか自分の喉元に届くのに人は怯えるのである。

本作のエンディングは一見ハッピーエンドのように思えるが、お互いの素性を知っている将軍と、利害関係にあるアメリカとの共謀。誰が敵で誰が味方かも分からない。そんな暗い世界に彼女は身を賭したのである。

そして、愛という感情ですら何者かに縛られた彼女はバレーダンサー時代と同じく「不自由」で沼のような世界へと飲み込まれていくのである。

自由」を渇望し、「自由」に翻弄された一人の人間を描写した作品であった。

無論、人により自由の概念は違うと思うので、「私の思う自由」があればコメント欄で教えてほしい。

【おすすめ度】

☆☆☆☆☆☆☆☆

諜報員になることを余儀なくされた女の「自由」を求めて戦う姿を描くスパイ映画。ジェニファーロペス主演の今作だったが、非常に楽しめた。裏切りとウソが渦巻いており、鑑賞している私が翻弄されてしまって笑ってしまう現象が起きたほど、その騙し合いは爽快だった。ストーリー自体は二転三転するが基本的には分かりやすく、内容もテンポよし。

何といってもジェニファーローレンスのエロすぎる演技に度肝を抜かれた作品である。

必見どころか、義務である。絶対に見て後悔しない作品となっている。

絶対鑑賞してね。

著・なめこ汁

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