あらすじ

家族を事故で失った学者が、家族のクローンを制作しもう一度生活を始めるが会社を取り巻く陰謀に巻き込まれて…


映画『レプリカズ』キアヌ・リーヴス暴走映像

感想

今作はきっぱり駄作である。というのもすべてが薄っぺらに感じた。

「クローン」を扱った作品を私はたくさん見てきたが、それらの作品にはどれも「自分が複製(模造品)であることへの後ろめたさ」「死への恐怖」が克明に描かれていた。酷ではあるが、傑作である「ブレードランナー」と比較したら一目瞭然である。

クローンを扱った作品であるのに、おおよそ「レプリカズ」においてはこれらの葛藤が全く見られなかった。というより大雑把なストーリーシンプルな悪と善巨悪に対抗する主人公パーティーを演出してたかったがために、「クローン」自体が取って付けた設定のようになってしまったのは非常に悲しい。そのためなんの説得力もないちんけな家族ちんけな悪役が出来上がってしまった。

キアヌリーブス主演のため見ておいたが、明らかにC級作品であることに違いないだろう。

以下に詳細をまとめてみた。

ちんけな家族

事の発端は家族旅行への道程で起きた事故により家族を失ったことだ。

運よく神経学者をしていた主人公は人の記憶や感性をロボット、またはクローンに移植し新しい肉体として再び人生を送れるようにするという偉大な研究を行っていた。

実験は佳境を迎え、少しずつではあるが人の中身を別の器へ移動する事が可能になった。

そのタイミングで主人公は家族を失ったため家族をクローンとして蘇らせようとラボから機材を盗み出し、違法であるクローン作製を始めたのである。愛する人を失ったがもう一度会いたい、触れたいという気持ちは大いに分かる。私自身愛する人を失い、尚且つ目前に蘇らせる事できる技術を持ち合わせていたら、それがたとえ禁忌であったとしてもしてしましうだろう。

しかし全員を平等に復活させることができなく失った一人が欠けてしまうのなら蘇らせる事をするだろうか?もしするのなら蘇った側も蘇らせた側もお互いにさらに傷を負うことになるのは明白であろう。しかし主人公は平然とそれをやってのけた。しかも「家族からその人の記憶を消す」という超極悪な方法を使って。

主人公は蘇る予定の者の脳内から記憶を消し、家に残る思い出の品を全部捨てていった。そして何事もなく蘇った「一人欠けた」家族と共に生活を始めるのである。

普通にサイコパスでは????

その後このことに対する葛藤はなし、蘇った家族が違和感に気付きだすも主人公はそれを誤魔化そうと必死。何してんだか。

それで結局どさくさに紛れてゲロって、家族に実はもう一人娘がいたことを白状。家族も家族で主人公に対して嫌悪感をそこまで抱いている様子なく、ドン引きした

しかもエンディングでその娘を蘇らせてつれてくるというサイコパスぶりを遺憾なく発揮。その娘はお父さんのことをなんて思っているでしょうか?怖くて考えたくもない。

この際どうでもいいけど、この家族自分達がクローンであること忘れてない??

終始、がばがばな家族であった。

本当に会社?

f:id:namekonameco:20191103155321j:plain

まずセキュリティが会社のそれじゃない。クローン製造機のような移動性が悪く機密性が高いものをどうやって会社のセキュリティに引っかからないで、ただの平研究員が一人で主人公宅に持ちえたのか。さらにはその機械がなくなったことについても後日特段誰にも気付かれず、騒ぎにもならないのは本当に会社なのであろうか?恐ろしくセキュリティがガバガバである。しかも後々に分かる事だがこの会社自体悪の組織だったと聞いて失笑してしまった。

それなら、なおさらにセキュリティがあれなら終わっている。悪の組織である以前に普通の組織としてのセキュリティを徹底してはいかがでしょうか?

ちんけな悪役

「この設定絶対途中で思いついたやろ!!」と突っ込みたくなるぐらい適当な悪役。

簡単に説明すると主人公が務めていた会社は「傷ついた人や瀕死の人を助けるという崇高な目的」ではなく「優秀な人の脳をドローンなどに移植する」という軍需産業の側面を持っていて、人々を蜜に利益を貪っていた悪い会社であった。

この設定が、本当にオチにつかうためにしか存在したものだとしか思えない薄っぺらいものであった。結局悪役の親玉は何がしたかったのか分からなく、その目的も劇中ではなにも明言されていなかった。必死に「アルゴリズム」なるものを探していたが、それを探してなにをするつもりだったのか、それが何の役に立つのか、この会社自体どこの差し金でどこが投資しているのか。何も教えてくれなかった。

それ以前に唐突すぎてなんにも説得力がなかった。上記の伏線などどこかにあっただろうか?もしかしたら見落としているかもしれないと思うほどである。

さらに終盤で主人公が敵の親玉に襲われるが殺すかと思いきや、主人公がその親玉の記憶を抜き取りクローンを作って、自身の意識を埋め込んだロボットと「クローン若返り」を大富豪に売り巨万の富を稼ぐただの極悪人になって笑った。結局誰が悪なのか主人公は何を思ってこんなことをしているのか、まったく描写されなかった。

f:id:namekonameco:20191103155419j:plain

【おすすめ度】

☆☆

すべてが思い付きの軽々しいものであってなんの深みも説得力もない駄作である。映像のクオリティや演出は目を瞑るとして、せめて脚本だけはこんな穴あきチーズみたいな代物にしないでほしかった。予算がなくても機材がなくても頭で脚本を考えて「面白い」「見れる」作品にしてほしかった。この作品に関わった人が全員かわいそうである。それぐらい悲しい出来になっている作品であった。見るのはおすすめしない。

著・なめこ

この記事が気に入ったら
フォローしよう

最新情報をお届けします

Twitterでフォローしよう

おすすめの記事