洗脳の怖さ

そして洗脳の簡単さ

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あらすじ

1995年。愛知県から東京に来たシン(満島真之介)は、仲間の自主映画制作に参加する。出演を依頼された引きこもりの美津子(鎌滝えり)は、村田(椎名桔平)という男から「10年前に借りた50円を返したい」という電話をもらう。一方、妙子(日南響子)から村田が詐欺師であることを聞いたシンたちは、彼を主人公にした映画を撮ろうとする。


『愛なき森で叫べ』ティーザー予告編 - Netflix

 感想

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園子温監督作品の今作に、私は少なからず期待していた。というのも「自殺サークル」「冷たい熱帯魚」を製作した”あの”監督であるからだ。とはいうものの正直当たり外れが多い監督であると個人的には思っているため半信半疑で本作を鑑賞した。鑑賞後真っ先に思ったことは…「エロい」だった。

この監督はとにかくフェチを扱うのが非常にうまい。「自殺サークル」では集団で女子高生が線路内、はたまた学校の屋上から飛び降りるなどバリエーション豊かに女子高生を殺していく作風は絶対リョナ界隈にぶっ刺さったことだろう。かくゆう私はぶっ刺さりはしなかったものの、今現在も色濃く印象に残り続ける描写として脳裏に焼き付いている。ストーリーより残酷描写のイメージが残りやすいのは映画として中身ペラペラなのでは?という疑問符も出るだろうが、私の映画観でいくとそれは作品として俯瞰した時に特異な作品であり人の心に傷をつけて残り続けるという観点でも、印象深い稀有で優秀な作品だと言えると。というのもただのグロ描写では印象に残らないのは自明であり、そこにグロ描写のステージを一段階あげる才能があってこそ印象に残り続けるグロ描写を描けるわけだからである。

さて、今作もそんなリョナ愛好家の心を鷲掴みにする描写が多々あった。無論ストーリー自体にも後々解説を入れるがまずは今作の描写について語っていきたい。

劇中には様々な魅力あふれる女性が何人か登場するが、それぞれ「見えそうで見えない」「体が健康的」「肌が白い」「傷あり」「派手髪」「根暗」などフェチの要素を詰め込んだものになっている。その下地の上に虐待シーンであったり、殺人シーンを描いているわけで、より「いけないもの」を見ている感情になる。美しい女性(多分にフェチを含む)が内臓をかき分けて血だらけになりながら死体を解体するというシーンは狂気ではあるが、あまりのコントラストに芸術性を感じてしまうのは人間であるなら仕方のない事だろう。

すばらしい描写はそれだけではなく、基本劇中の雰囲気は官能小説のような雰囲気を醸し出していた。というのも非常に残虐である描写ながら、「グロい」という感覚が麻痺し「エロい」という感情が先に来てしまうのだ。これの原因はやはりコントラストが強すぎる分あまりに現実離れしていて夢見心地になり、女性のしている残虐な事を脳がフィルターを通しているのではないかと思っている。

ここで私はこの作品を「官能映画」と位置付けた。私の行けない癖だがストーリーは二の次で描写を楽しんでしまった作品になった。

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 おまけ 洗脳

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この映画は実際の事件に着想を得ている。それが「北九州監禁殺人事件」だ。この事件は一家全員洗脳されて殺し合ったというなんとも形容しがたい事件である。

ところで実際洗脳で人に人を殺させることできるの?

結論から言うとできる。

ここで考えてみてほしいのが人を殺してはいけないとい考えはだれが決めた事だろうか?

結局のところ人を殺すことを悪としたのは人間である。

「殺したらダメ」「かわいそう」「同じ人間だから」など様々

しかし動物を殺すことは良しとする。生きるために。

じゃあ生きるために人間を殺すのは良しとされないのか?

時々なぜそうなんだろうと考えることがある。

もちろん理由は親や周囲の人、学校の先生から教育を受けているからだ。むやみに人に暴力をふるってはいけない。喧嘩はダメ。もちろん人を殺してもダメ。

当たり前のことだがこれらは教育という名の一種の洗脳であると私は思っている。

しかしこの一文は洗脳という言葉がすべて悪い意味だと思っている人には反発を覚える文言である。たしかに洗脳は悪い意味で使われる場合が多いが、場合によっては苦しくて死んでしまいそうな人を助ける手立てになったり、新しい価値観を与えたり、広義で洗脳という言葉をみると決して悪い意味だけではない。

しかし、上記の例のように洗脳というものが身近にあるからこそ洗脳というものは怖く、そして自分事であるという感覚を持つことも重要かもしれない。

今現在、この記事を見ているあなたもすでに悪意を持った誰かに洗脳されている可能性も無きにしも非ず。とにかく洗脳というのは良くも悪くも身近に潜んでいる。洗脳というのは外傷がない分、分かりにくく気付いた時には自分の脳みそを食い尽くすアメーバみたいな存在だ。

この映画のようにならないように気を付けよう。

【おすすめ度】

☆☆☆☆☆☆☆☆☆

とにかく見てみてくれ。

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著・なめこ汁

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