罪悪感が見せる幻想と現実の区別

猟奇的な現実

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作品について

キャスト

  • 監督

ウォッシュ・ウェスティモアランド

  • 製作総指揮

リドリー・スコット

  • 主演者

アリシア・ヴィキャンデル

ライリー・キーオ

小林直己

  • 登場人物(主演者順)

ルーシー・フライ

リリー・ブリッジズ

禎司

見どころポイント

三代目 J SOUL BROTHERS from EXILから

ハリウッドデビュー。

顔が日本人で男らしく渋い小林直己が今作初デビュー。正直演技関して不安視する声も多くあったが、私が観賞した中では概ねいい感じであり、彼が持つ謎のカリスマ感と不気味さに当てられてしまった。

私自身EXILとかその周辺が全く好きではないが、三代目が出ているからLDHだからどうのこうのではなく、まず本作を見て彼のポテンシャルを確認してほしい。彼は俳優として今後期待できる人材であることを保証しよう。

あらすじ

日本の翻訳事務所で働くイギリス人であるルーシー・フライはリリー・ブリッジズ

の友人である。ある時リリー・ブリッジズは失踪し、その疑いがルーシー本人に降りかかる。

過去を探っていく中でキーパーソンとなっていく禎司と、この事件に関わった3人の人間がどうして複雑怪奇に絡み合うのか。そしてその向かう先とは。ルーシー・フライの周りで人間が良く死ぬ現象との関係、彼女が持つ「死の香り」と関係があるのか。それらを紐解いていくミステリー作品。


アリシア・ヴィキャンデルがEXILE小林直己を絶賛!「目で語れる俳優」 Netflix映画『アースクエイクバード』記者会見

感想

【友達の彼女がかわいく見える現象】

本作冒頭でルーシーと禎司は出会い意気投合し愛を育んでいくのだが、彼が働く蕎麦屋で彼女の友達リリーがその二人だけの関係に入ってきたことにより、物語は進展する。

友達の彼女がかわいく見える現象について名前はあるのだろうか?隣の芝は青いなど妙に魅力的に見えてしまってしょうがないという事を誰しも一度は経験したことがあるだろう。

それが「いいな」と思うだけで終わればいいものを、お互いに親密になるとしょうがない。会う時間が増えるにつれ、恋人そっちのけで相手のことが気になるようになる。これに関しては「恋」なのだからしょうがないものであろう。

本作ではリリーと禎司との仲が親密になり、ルーシーが次第と嫉妬を燃やし始めるというところに一つのターニングポイントがある。

【作中の幻覚シーンはなに?】

主人公がたまに幻覚を見るシーンが多々ある。これに関して私は「罪悪感が見せる幻覚」と名付けた。彼女の周りでは過去に人が多く死んでいる。少なからず彼女は死について敏感になっているはずだ。そんな彼女が今回「殺したい」と思った相手リリーが失踪した。これが偶然であれ、必然であれ、彼女は彼女自身が殺したと深く思っても仕方がない状況に立った。私がいるから死んだ、私のせいだと思い詰めた結果、実際には殺していないのに自らがリリーを殺めたと自白してしまい捜査に混乱を生んでしまった。自白撤回後、刑事に「思い込んでいた」と言われた通り、彼女は殺したいと思った罪悪感で現実には無いことを言ったのであろう

【アースクエイクバードが意味するものとは?】

ぶっちゃけこの言葉は映画にあまり関係ないし、考察の余地はないと思っている。

日本におけるジンクス都市伝説的な意味合いである「カラスが鳴くと地震が起きる」のような文言を使って、ルーシーのジンクス的なのとうまく絡めたかったのだろうが、あまり伝わるものがなく考察の余地がなかった。ただこの言葉を使いたかっただけ感があり正直謎である。その実は「不吉=アースクエイク」という単純なものであるのはないかと感じている。

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【実際の事件との関係性】

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ルーシー・ブラックマンさん事件

この事件は2000年7月に神奈川県逗子市で起きた強姦殺人事件である。犯人は単独犯であり、在日韓国人であった(途中国籍を日本に変更)。

作中に被害者がほかにも数多くいることが示唆されているが、この事件の犯人も過去に性犯罪で逮捕歴がある。昏睡レイプでの被害者は209人おりその詳細をノートに綴っているあたりが非常に今作の禎司と似ている。

その犯行も1969年~1995年と本作の舞台設定の時代背景とも被る点が多い。

さらにこの事件の犯人が外国人女性を殺して逮捕されているところを見ると、作品中と現実でその最後は違うが、原因は同じにあると言える。

様々な点で、この映画がこの事件にインスピレーションを受けていることが裏づけられる。

明言はされていないため、この事件を本当に元にしているかは謎であるため信じるか信じないかはあなた次第だ。

【おすすめ度】

☆☆☆☆☆

不思議な感覚を味わえる作品であったが、そこまでミステリー性はなく作品として凡作以下であった。

 

しかし出演者である小林直己のハリウッドデビュー作であって彼の演技自体を楽しめ、リドリー・スコットの「ブラックレイン」を想起させるような情景描写があるなど非常に楽しめる物であった。

本作を見ていて飽きるという事はない。どこか不思議な感覚に陥る今作は映像として楽しめるため、内容に興味がなくても芸術作品としての楽しみ方もできる作品であった。ミステリーものとしてみれば評価は下がるだろうが、それ以外の視点を持つことでこの作品が持つ価値は大きく変わるものと私は考えている。

ぜひ見てほしい。

罪悪感で身を滅ぼすこともあるって話

著・なめこ汁

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