徹頭徹尾、普通の映画な今作

盛り上がりは一か所だけ。しかしそこの迫力が異次元。

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あらすじ

放浪息子の父親は暴君であり、そんな父を息子は嫌っていた。しかし父親が衰弱していく中で、彼の存在はより次期王に近づいてきた。そんな中フランスからの敵対行為をされたイングランドはかの国に対してどのような対応をするのか、王子はその過程でどうなっていくのか…?


The King Scene (1080p): King Henry refuses to surrender to Prince of France

感想

【過程が雑】

本作は一人の王子として、男としての成長を描く物語である。原作はあのシェイクスピア戯曲「ヘンリー四世 第1部~第2部&ヘンリー5世」ということで期待が持てるバックグラウンドになっている。

しかし映画としての採点をするなら限りなく普通の出来と言わざるを得ない。今作は一人の男の成長物語であると先ほども言ったが、その過程が雑すぎるためである。というのもなぜ成長したかの説得力が本作にはないのだ。

物語の基本として難題をクリアし成長していく姿を題材にするのなら、何よりもまずその過程を詳しく書かなくてはならない。でないと「架空の物語だから」と存在が軽くなってしまう。難題を努力と知恵と戦略で乗り越える描写を描くことで物語に説得力を持たせることができ、その力強さを見て初めて人々は共感し感情移入をすることができるのだ。作られた物語であるからこそ、ある種現実以上の描写を描かないと重みが出ないと私は考えている。

ここで、今作の物語について見ていく

劇中にはたびたび宮廷内、戦地問わず数々の問題が起きる。反逆内通子供の虐殺など、そしてそれに対処する描写は一応ある。しかし苦悩する様子はほとんどなく、割と簡単に解決していたり、感情に任せて捕虜を全員殺害する命令を出したりなど問題に対する苦慮のシーンの味付けがあっさりすぎた。

王子がこれらの出来事一つ一つでどれだけ成長できて何を学んだのかがまったく伝わってこなかった。それに拍車をかけて後半の駆け足具合、結局忠臣も裏切り者でしたオチ。途中から真面目に見るのが馬鹿らしくなっていた。

しかし、ここは成長を見せたと思うシーンがあった

それが兵士を鼓舞するシーンである。彼は出陣前戦士たちの前で皆を鼓舞するが、このシーンだけはとても格別であった。演技もさることながら、文言もいい。一流のコピーライターが考えたのかと思うぐらいどうしようもなく奮い立つ文言に私自身背筋を伸ばす場面があった。

たしかにこのように鼓舞されたら命を賭して戦うであろうと感じられた場面であった。この成長のもとになるシーンはなかったが立場が人を成長させるように彼も王という立場になって確実に成長していたのだろう。

【偉くなると友達いなくなる?】

今作で王は常に孤独だった彼本人が言っていたように周りにいるのは忠臣たち。つまり従者だ。そして残りは敵。自分に遜るか敵対するかの存在しかいない王は間違いなく孤独だと言えるだろう。

 

しかしそんな彼にも友はいた。王になる前、放浪息子だった彼と共に行動をしていた男である。男は彼が王になる前からの友であり、宮廷から離れ一人の男として生きている王子に同じ目線で付き合っていた。決して「王家」という色眼鏡は通ってはいなかったと考えている。

そして男には「自分だけ不安」を話すなど彼の心の支えになっていたことは間違いなく、彼の成長過程での弱い部分を補っていてくれたのは間違いない。

そんな男は自らが考案した作戦の陣頭指揮を執り戦死するが、その時初めて「真に」孤独になった王は涙を流した。しかしそれだけではなく涙と共に孤独をも捨て王として成長した瞬間であったであろう。一国の王とは孤独であるという次元ではない。そう思わせてくれた面構えであった。

我々の生きる世界で偉くなればなるほど利害関係の度合いが大きくなる。だからこそ昔ながらの旧友などは大事にしたいと私自身そう感じた。ビジネスライクではなく「自分だけの不安」を話せるそんな友人である。

【おすすめ度】

☆☆☆☆

非常に普通の作品であったが、つまらなくはなかった。

特に面白いと思ったのが合戦のシーンである。絵面通りかなりの泥仕合になっており全くのスピード感がなくもみくちゃになって戦っている場面があまりにリアルで人間が必死に生きようと相手殺そうと考えている姿が見え、非常に興奮した。戦場らしい戦場をこの映画は描写してくれたと思う。かっこいいとかではなく「殺すための」合戦であった。

物語は単調であってワンシーンを除いて特におもしろみはない。普通に鑑賞する作品である。普通普通普通脚本に関してはこれしか思いつきません。すみません。

最近感動する映画に出会えてないのでおすすめがあったらコメント欄でぜひ教えてほしい。

著・なめこ汁

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